アクセス解析から分かるコーポレートサイトで強化するべきコンテンツを解説
自社のサービスや理念がどういったものかを、広く世間に紹介できるのがコーポレートサイトです。
コーポレートサイトは顧客やステークスホルダーと会社とを繋ぐ重要なツールとなります。質の高いサイトがあれば会社への信頼も高まり、より多くの顧客獲得に繋がるでしょう。
コーポレートサイトを運用するにあたっては「いかに多くの人に閲覧してもらうか」が大切です。
そこで本記事では、アクセス数を増やすために大切なことについて解説します。
コーポレートサイトにおけるアクセス解析の重要性
企業と外部とを繋ぐ窓口の役割を果たすコーポレートサイトですが、誰にも見てもらえないと意味がありません。より多くの人に見てもらうにはどうすればいいのかを知るために重要なのが「アクセス解析」です。
どのコンテンツをどれだけの人が見ているのか、またどのページからアクセスしてきたのかなどの情報を数字で分析することで、自社が強化するべきコンテンツが分かります。アクセス解析無しでは運営側が紹介したいコンテンツばかりに力が入り、顧客に寄り添ったサイト作りは難しいでしょう。コーポレートサイトを運用するには、アクセス解析は欠かせないツールなのです。
各コンテンツのアクセス数を確認する方法
ではアクセス解析ができるツールにはどんなものがあるのでしょうか。ここでは代表的な2つのツールを紹介します。
それぞれに特徴が違うので、組み合わせることによってあらゆるデータの分析と対策が可能になります。
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスはサイトへアクセスしたユーザーの動きを分析できるツールです。どのような属性のユーザーがどのページを閲覧しているかをリアルタイムで見られる他に、ユーザーがアクセスしてきた集客経路の分析が可能です。検索からのアクセスなのか、それともメルマガのリンクからなのかなど、経路を分析すれば集客のためのアクションが起こしやすくなるでしょう。
またサイトを訪れたユーザーがどのような行動をしたのかも分かります。これによってランディングページや閲覧数の多いページが分かるので、どこに一番注力すればいいのかが明確になります。閲覧しているユーザーの性別や地域、デバイスまで細かく知ることができるため顧客層の把握にも役立つでしょう。
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールはサイトへアクセスする前の行動を分析できる、SEO対策に必要なツールです。特定のキーワードに対してページが表示された回数やクリック数を分析できる「検索パフォーマンス」、ページがGoogleによって認識され検索結果に表示される状態になっているかを調べる「URL検査」のように、検索への対策が取れる機能が豊富です。
分析するだけでなく、こちらからサイトへの施策を実行できるのも大きな特徴でしょう。サーチコンソールでは自社のサイトマップをクローラーへ伝える「sitemap.xml」を送信できます。「sitemap.xml」を送信することでコンテンツがクローラーに正しく認識され、検索結果に表示されやすくなります。
コーポレートサイトでアクセス数の多いコンテンツ
コーポレートサイトへのアクセス数を増やすには、まずはどのコンテンツが最も閲覧されているのかを知る必要があります。
先に述べたGoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールといったツールをもとに、コンテンツごとのアクセス数を分析します。
採用サイトによって多少順位の変動はありますが、おおむね以下のコンテンツは求職者によく見られています。
コーポレートサイトにおけるコンテンツの閲覧数ランキング
1位:会社概要
2位:事業内容
3位:採用情報
4位:実績、導入事例
5位:コラム記事
会社の基幹となる情報から順にアクセス数が多いのが分かります。
これらのコンテンツを強化し、定期的に最新の情報にアップデートすることでさらにアクセス数を伸ばすことができるでしょう。
コンテンツを強化するために必要な情報
アクセス数の多いコンテンツを強化する=ユーザーが知りたい情報を不足なく記載するということです。
では具体的にどのように強化すればいいのか、コンテンツごとに見ていきましょう。
1.企業情報
企業情報は企業の基本的な情報を顧客に知ってもらう、非常に大切なコンテンツです。会社概要がきちんと明記されてなかったり、抜けのある企業では顧客からの信頼は得られません。会社の「顔」になるコンテンツですから、漏れのないようしっかりと強化しましょう。
基本情報を網羅する
企業情報に載せるべき情報は多岐にわたります。まずは会社名・代表者名・所在地・電話番号・資本金・沿革・従業員数・取引先一覧のような基本情報は漏れ無く正確に記載する必要があります。また基本情報に変更があった際にはすぐに修正することが重要です。内観や外観写真でイメージを伝えるなど、会社概要の内容は充実させたほうが良いでしょう。
経営理念・企業理念・行動指針・代表者メッセージで「企業の存在意義」を語るのも大切です。どうしてこの企業を設立したのか、日々どのような思いで事業に励んでいるのかを顧客へ伝え、ファン獲得につなげます。
BtoB企業は相手企業の銀行との付き合いも注視しています。取引先銀行がメガバンクであれば信用度が上がりますし、信用金庫であれば融資を受けていると推測します。BtoB企業においては大事な判断材料となりますので、主要取引先銀行もしっかりと明記しておきましょう。
2.事業内容
自社がどのような製品・サービスを提供しているかを顧客に理解してもらうためのコンテンツです。事業形態によって「事業内容」「サービス」「商品」「ビジネス」などユーザーにとって分かりやすいタイトルに変更すると良いでしょう。
また複数ある事業内容ひとつひとつに焦点を当て、詳しく掘り下げることでより企業への理解が深まります。コーポレートサイトの他に独立したECサイトやオウンドメディアを運営している場合は、関連するサービス紹介と共にリンクを貼ればコーポレートサイトからの流入を促すことができます。
3.採用情報
求職者が応募したい企業を探す際に見るのは就職・転職サイトだけではありません。コーポレートサイトに採用情報を載せておけば、自社に合った優秀な人材を採用できる可能性が高まります。
採用情報ページのアクセス数が多ければ多いほど、“働いてみたい”と思わせる魅力のある企業ということです。モチベーションの高い人材を獲得できるチャンスですので、新卒・中途共にどういった人材を求めているかなど採用情報を明記しておきましょう。
求職者目線でのコンテンツ例
採用情報と言えば募集要項が真っ先に頭に浮かびますが、求職者が知りたい事柄は他にもあります。採用が決まった後、実際に働いていく中で必要なのは働くメリットや福利厚生、将来的にどう成長していけるかという「キャリアパス」など様々です。募集要項だけで終わらせず、求職者が知りたい情報を網羅していきましょう。入社後の雰囲気を伝えるために、オフィス環境や従業員の声を載せるのも効果的です。
4.実績、導入事例
実績や導入事例は、事業内容で紹介したサービスがどう使われているのかをアピールするために重要です。新たなビジネスチャンスに繋げられる可能性もあり、決して疎かにできないコンテンツです。
実績をユーザーに伝え安心感を与える
具体的な実績が掲載されていると製品の使用イメージがつかみやすく、ユーザーは企業の商品やサービスに対して安心感を覚えます。具体的な数字や「何が」「どうして」「そうなったのか」を明確に記載しましょう。導入事例では、あらかじめ許可を得た取引先の名前を出して紹介するのも効果的です。誰もが知っている取引先ならば、より安心感を与えることに成功するでしょう。
お客様インタビュー
実際に商品やサービスを利用した消費者側である「お客様の声」も、ユーザーからの信頼獲得に役立ちます。ここまでは内部からの発信ばかりでしたが、お客様の声は外部からの評価です。顧客へのインタビュー記事や、頂いたコメントをまとめたものを載せるのも良いでしょう。利用者の生の声を目にすることで、ユーザーは商品に対するイメージがより鮮明になります。
5.集客コンテンツ
集客コンテンツとして大切なのがコラムです。
コラムは企業に興味を持って検索してきたユーザーではなく、興味のあるモノ・コトで検索したユーザーを取り込める可能性があるコンテンツです。そのため、コーポレートサイトのトップページからではなくコラムに直接アクセスがあるのが特徴です。
トップページからのアクセス流入よりもコラム100記事の合計のアクセス流入の方が多くなる可能性があり、集客エンジンの役割を果たすとも言えるでしょう。
しかし、コラムの方向性が定まっていないと効果的なアクセス流入は見込めません。どういった目的でどういうコンテンツを作っているのか明確にした上で運用しましょう。
例えば自社の商品にまつわる情報を紹介するためのブログ記事では、製作秘話やちょっとした使い方の工夫などサイト内では紹介しにくい情報を発信でき、見込み客へのアプローチに繋がります。またユーザーの疑問や悩みを解決できるようなSEO記事に方向性を絞ることでユーザーとの接点が増え、アクセス数の増加が見込めるでしょう。
コラムはその質と量によって、サイト全体のアクセス数に大きな影響を与えます。
コーポレートサイトにおけるコラムの重要性は大きく、注力するべきコンテンツですが書くための労力とライティングスキルが求められる難しいアプローチでもあります。
BtoB企業/BtoC企業が強化すべきコンテンツ
一般的なアクセス数ランキングに基づいて強化するべきコンテンツについて説明してきましたが、業種によって最も力を入れるべきサイトコンテンツは異なります。
・BtoB企業
「BtoB」とは“Business to Business”の略称です。
企業(法人)を顧客として事業や商取引を行う会社のことで、製造やIT、運送会社といった業種がこれに分類されます。
toB企業においてはアクセス解析をもとにページを強化すると良いでしょう。
また事業内容や経営理念など自社の強みを訴求できるコンテンツに力を入れると効果的です。
・BtoC企業
「BtoC」は”Business to Consumer”の略称です。
家電メーカーや飲食店、エステ、鍼灸整骨院といった一般の消費者向けにサービスや商品を提供している会社を指します。
BtoC企業は会社概要も大切ですが、それ以上にサービス内容や店舗へのアクセスといった顧客が直に接する情報を充実させるべきです。
まとめ
企業の情報を得る際にユーザーがまずアクセスするコーポレートサイトは、制作することが最終目的ではありません。正しく運用するにはコーポレートサイトを制作した後、アクセス解析を元に数字で検証することが大切です。
アクセス解析で得られたデータを元にユーザーの行動パターンを推測し、強化するべきコンテンツが分かれば戦略的にサイト制作を行えます。紹介したアクセスランキング上位5つのコンテンツは非常によく閲覧されているため、特に強化しておくことが大切です。
コラム記事はアクセスランキング上では5位ですが、流入経路から考えると集客コンテンツとしての効果が高いページです。単純に閲覧数を見るだけでなく、コラム記事を効果的に運用すればコーポレートサイト全体のアクセス数アップに繋がるでしょう。